非効率的な学習法とは
一時期SNSでバズったこともあった、
最も効率が良いと実証されている勉強法をご存じだろうか。
その名もActive recallである。
Active recallについて説明する前に、まず皆さんがテスト前などに普段行う勉強方法を思い出してもらいたい。
定期テスト2週間前。
- 参考書や教科書を何度も読んで暗記する?
- 重要な単語や箇所に線を引いて覚える?
- 授業などで学んだ内容を要約してノートにまとめる?
実は、それらは全て非効率であることが数々の研究によって実証されている。
今まで行っていた勉強法が非効率と書かれてこのアドバイスのページをそっと閉じようとした人もいるだろう。
しかし、僕が言っているわけではない。数々の研究がそう言っているので許して欲しい。
まず、反復的に参考書を読むことはRereadingと呼ばれる勉強法である。何度テスト前に読んで行ったとしても、テストになったら思い出せない。そんなことを経験した人も多いと思うので、この勉強法が非効率ということは納得してくれるかもしれない。
次に、重要だと思う部分に蛍光ペンや赤ペンを引くような勉強法をHighlightingという。先生のような人たちにこの勉強法を教えてもらい、いまだに行っている人も少なくないのではないだろうか。この勉強法においても、ペンを引いたはいいけれど、結局その内容を100%自分のものにできていないということに試験本番で気づいた人もいると思う。
最後に、内容を要約する勉強法はその名の通りsummarizingといわれる。上の二つよりは効果的だが、要約のスキルが高くなければ十分な効果はでないと示されている。また、要約は綺麗なまとめを作ることという手段が目的になってしまいがちで、労力に対するパフォーマンスがあまり優れない。
そこで登場するのがActive recallである。どんな優れた勉強法かと構えてしまうかもしれないが、別に驚くような内容ではない。自分で自分の記憶を取り出す能力に負荷をかけることで記憶の定着を図る、だけである。
すなわち受動的に記憶を詰めるだけでは記憶の取り出しは難しいということである。
Active recallを実践するにあたり、ここでは3つの方法をご紹介する。
1.Ankiフラッシュカードアプリを用いる
海外でSushiやSukiyakiのように、Ankiという日本語が浸透していることをご存じだろうか。今回この記事を作成するにあたり、ケンブリッジ大学の医学生の勉強法を参考にしているのだが、彼はAnkiアプリが良いと述べている。
皆さんも一問一答のような形でカードを作った経験はあるかもしれないが、実はそのカードは記憶の取り出しの訓練にうってつけということである。実際そのカードを作るのが大変なんだよという声があると思うが、便利なスマホアプリも出ているのでぜひチェックしてみて欲しい。
2.本を閉じて内容をまとめたり、spider diagramでまとめたりする
ノートをまとめるのが非効率と言われても、やはり自分でノートは作りたいという人も多いだろう。そんな人にお勧めの勉強方法がこれである。教科書やノートに書いた内容を読んで理解した後、それを見ないで自分でまとめる。そして本を開き、抜けている説明や忘れていた事項をチェックする。また、全部まとめるのは骨が折れるという場合は、一回理解した後自分でspider diagramのように関連事項をつなげていく(diagramについては調べてみて欲しい)ことで体系的な理解につながる。
3.板書を取らないCornell note-taking systemを実践する
板書を取らないと書いたが、何も書かないわけではない。板書を見て、自分に対して問題を作り、それをノートに書くのである。たとえば、「Aという事象は、BのあとCの反応が起きることで発生する。必要な条件はDである」のように黒板に書いてあれば、Aは何故起きる?Aに必要な条件は?とノートを取るのである。テスト形式で自分の取り出す能力に負荷をかけることによって、効率的な学習が望めるだろう。
今回ご紹介した内容はケンブリッジ大学医学生の動画を参考にしている。
元動画を参考にしたい方はぜひ下記のリンクからチェックして欲しい。