以前チャートについての記事を書いてから「フォーカスゴールドはどうですか?」というお問合せを多くいただくようになりました。『フォーカスゴールド』は啓林館がチャート式に対抗して(?)出版されたものです。

チャート式世代の方にとっては「え?聞いたことないけど?」と、ちょっとピンとこないかもしれません。最近は高校でも採用されたり、傍用問題集の代わり配布されることもあり少しずつ知名度が上がっているところです。

Goldと言っても、さすがに金ピカではありません。あの「大学への数学」的な漆黒のカバー。さらに高級感溢れるGoldの文字。

持っているだけで頭良さそうじゃないですか??

今回はチャート式とフォーカスゴールドを、徹底的に比較してみることにします。数学の参考書で悩む方の参考になれば幸いです。今回も熱く語ります。

一番の違いは種類の豊富さ

チャート式は習熟度や目的に応じて様々な色が用意されています。メインの4色だけでも白<黄<青<赤とあり、「う~ん、どれを使ったらいいのかな?」と迷ったりしますよね。その点、フォーカスゴールド(ForcusGold)は、黒一択!「うちはこれで勝負だ!」と、なんとも潔い感じがします。

チャート式フォーカス
出版社数研出版啓林館
種類白・黄・青・赤
(他:緑・紫・黒など)
ゴールド
(他:ゼータ・ブリッジ)

さて、そうなると気になるのがレベルについてですが、その前にその他の特徴について比較していきましょう。

ボリューム比較

「チャート式は分厚くて重たいから持ち運ぶのが大変…」

その通りです。厚いんです。一冊だけならまだしも、ⅠAだⅡBだ、Ⅲだ…と持ち歩くのはしんどいですよね。「もう少し軽量化してくれないかなあ?」と思った人は多いのではないでしょうか。早速、ページ数と重さを調べてみました。(素人のざっくり計測なので、多少の誤差はご容赦を)一番わかりやすい数学ⅠAでの比較です。

赤チャートフォーカスゴールド
問題668.5g(679ページ)756.5g(784ページ)
解答冊子435g(414ページ)480.5g(543ページ)
合計1,103.5g1,237.0g

なんと、どちらも1kg超え!しかもフォーカスゴールドのほうが重い!!

フォーカスゴールドは見た目が黒だからか、スッキリして見えるんですよね。しかもチャートに対抗するために、「うちは持ち運びが楽ですよ」という仕様にしたのかと思っていたのですが、予想とは真逆でした。でも1kg以上は持ち歩きには不向きかな?とも。(チャートを分割する生徒が多いのも納得です)

あえて軽量化と真逆の路線になぜフォーカスゴールドは進んだのか?

答えはわかりませんが、なぜか先日遊びに行ったアメ横の「おまけ~おまけ~、もう一個おまけ!さらにもう1個おまけ!」という掛け声で有名なチョコレート屋さんを思い出しました。

中身のデザインは?

続いて気になるのは、何といっても中のデザイン。フォントや色の使い方で見やすさが違います。長く使う参考書だから見やすさは大切です。

赤チャートフォーカスゴールド
フォントほぼ同じほぼ同じ
黒文字+赤+青黒文字+赤+青
色合いやや薄いカラー少し濃いめのカラー
紙色ベージュ寄りの白

さすがにこれにはびっくりしました。一言でいうと「そっくり!」です。チャート式へのリスペクトか?それともそれだけチャート式の完成度が高いということなのか

微妙に違うのは色合いで、これはちょっと大人めなチャート式(やや淡い)と、くっきりしたフォーカスゴールド(コントラストが強いパキッとした印象)くらいの違いです。あと影がついていたり、ポイントの枠色が違う程度。

プリクマ先生

私はどちらかというとチャート式の白い紙と文字の淡い色合いが好きですが、
このあたりは単なる好みとして分かれそうです。

くま
ベビクマ

カバーはフォーカスゴールドのほうが大人っぽいけど
中身は逆にチャート式の方がスタイリッシュな感じ

内容構成の比較

次は学習のしやすさを左右する構成について。

赤チャートフォーカスゴールド
問題構成例題・練習・演習
(1ページ上段に例題、下に練習問題)
例題・練習・StepUp・章末
(1ページ上段に例題、下に練習問題)
Check問題はかなり基本
例題レベル5段階
★★★★★
4段階
★★★★
コラムあり
(1種類)
あり
(解説/Coffee Break/コラムの3種類)
公式裏表紙にあり別冊公式集あり
(ⅠAを購入しても附属の公式集は高校範囲
数Ⅲまでの公式が載っています)
※この公式集がいい!という人も
章構成数学ⅠとAの区別あり(5章+4章)数学ⅠA区別なし(9章)

表紙を見なかったら「チャート式」なのか「フォーカスゴールド」なのか、判断がつかないほど問題構成がそっくりです。学習の進め方もほぼ同じ。例題のレベルは★が増えるほど難易度が高くなります。

くま
ベビクマ

フォーカスゴールドの別冊になってい公式集は
3年間使えるし便利そう。

フォーカスゴールドにもコラムページがある!

そして私の大好きなチャート式の「コラム」ページ。さすがにフォーカスゴールドにはないだろうと思っていたらなんとチャート式と同じく索引もついていて、さらに細かく分かれていました。

フォーカスゴールドのコラムのうち解説とかcoffeebreakは、黄色チャートにありそうな内容。数学好きは逆にコラムが楽しいでしょう。

レベル比較

それではいよいよレベル比較。フォーカスゴールドは青チャートなのか赤チャートなのか?それともそれを上回るものなのか??実際に赤チャートとフォーカスゴールドの問題を見比べてみました。

赤チャート★5≒フォーカスゴールド★4

チャート式
参考書

一番気になる例題は、全員が必ずチェックしますし、そこについている★の数でやるべき問題を限定しますよね。「★3つまでは必ずやるように」とか、「★5は定期テストに出さない」といったように、高校の先生から指示が出ることもあるようです。

 

早速そのレベルを見てみたのですが、例題は…ほぼ同じ。問題は…ほぼ同じ。章末問題にも……

お・・・同じ問題が載っています!(もちろん一部ですよ?)

例題でも同じ問題が使われていたり、章末にも同じ問題が載っていたりとしてびっくりしました。でも、数学の参考書を作るにあたって、「これは絶対に入れたい!」という良問はどうしても似通ってしまいますから、これも当然のことかもしれません。

というわけで、つまりフォーカスゴールドの章末問題レベル赤チャート!に近い

赤チャートでは発展として扱われるコラムに載っているものがフォーカスゴールドの例題として載っていたり(フェルマーの小定理)その逆があったりして、微妙に違いはあります。それにしても内容のデザインから構成までどうしてここまで似ているのでしょうか。まさか編集者の方が同じというわけではないですよね?

それぞれの長短比較

勝手ながら双方の長所・短所をまとめてみました。

チャートフォーカスゴールド
長所細かいレベル分け
青チャートは説明動画サービス有り
完全に問題と解答冊子が分かれている
3年分の公式集が別冊でついている
短所公式は裏表紙に載っているので探すのが面倒量が多い
(赤チャートレベルまで必要としない人は
問題の選別が難しいかも)

最後に・・・

どちらがいいのか?という点については、結論として「本を開いて読みやすい方」ということになります。単に教科書と同じ出版社だから…。という理由でもいいですし、「高校で配布されたから」という理由で選んでも構いません。いずれにしても両方使うのはあまり意味がなく、「これだ!」という方を徹底的に学習することをお勧めします。フォーカスゴールドはチャートと比べてレベルわけが粗いですから、どうしても幅広くなりがちで、これも好みがわかれるところでしょう。

赤チャートまでの数学知識は必要ないという方には、フォーカスゴールドはちょっと重たいかも。また、フォーカスゴールドのCheck!問題ページは基本事項を確認するため、かなり簡単な問題から載っています。発展的な問題のみやりたいという高校生には、不要な部分でしょう。(基本事項や公式確認には便利ですが)良くも悪くもレベル幅が大きいフォーカスゴールド。いずれにしてもフォーカスゴールドは、チャート式以上に問題の選別が必要になりそうです。高校で指定参考書になった場合は、数学の先生にやるべきページや★の数を相談してみてください。

先生
プリクマ先生

「フォーカスゴールドとチャート式、どっちがいいか知りたい」との質問をいただき、今回調べてみました。ご参考になったでしょうか? この記事がお読みいただいた方のお役にたてば、嬉しいです。

学習法や参考書など、悩みがある方はお問い合わせページからご連絡ください。

徹底比較『チャート』vs『フォーカスゴールド』” に対して1件のコメントがあります。

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