以前からずっと気になっていた本を購入しました。とても参考になることが書いてあったので、今日はその本のご紹介。書店で平積みになっているので見たことがある人もいるのではないでしょうか。こちらです。
アウトプット大全!精神科医である樺沢先生による本で、同じシリーズにインプット大全もあります。
この本によるとアウトプットとインプットの黄金比は7:3とのこと。この説はとても共感できます。普段受験生を見ていると、授業を受けることに重きをおき、「授業を受けただけで満足」という生徒が多いのが現実。でも実際に学力が伸びるのは、受講を早めに終えて、徹底的に演習をしている生徒です。伸びる生徒は、本当に学習時間の70%はアウトプットにあてています。
東進はどうして速習を薦めるのか?
ところで、東進の新年度は12月。夏には受講を終えて、秋以降は徹底的に過去問をはじめとする演習をすることを薦めています。
「そんなに早く授業を受けて、9月から勉強することがなくなったりしませんか?」という質問も多いです。「授業を受ける=学習する」というイメージがありますから、その疑問は当然。日本人はそうしたインプット偏重型の学習に慣れています。でも、本当に実力を身につけるのはそうした受講(インプット)ではなく、過去問演習などのアウトプット作業です。ここで
- 知識を正確に覚えているか
- 覚えた知識を使えるか
ということを確認することが大事です。数学でも「公式はたくさん覚えているのに、どれを使えばいいかわからないで解けなかった」ということがありますよね。覚えるのはあくまでもインプット。当然知識は必要ですが、それを使えなければ意味がないのです。
実際、大学入試では辞書持ち込み可能であったり、公式集が問題に添付されている大学もあります。それくらい知識がすべてではないということ。(そういった大学はほとんどが難関大学です)
同じ授業を受けているのに、ライバルより自分のほうが学習時間は多いのに、なぜか試験で負けてしまうという経験がある人は、その学習の内容を見直してください。
直前期は9割をアウトプットの時間にあてる
入試直前期は、7割どころか9割はアウトプットの時間にあてるくらいでちょうどいいです。
「現役生は入試当日まで伸びる」という言葉を聞いたことがありませんか?それは本当に真実です。入試本番は理想的なアウトプットの時間。しかも緊張感も半端ないですし、厳しい時間制限と条件の中で、知識と頭脳をフル活用しなければいけません。その経験が受験生の力をグングンと伸ばしてくれるのです。
直前期はそうした試験とよく似た状況で、過去問に挑んで欲しいと思います。
まずは過去問を最低10年分
第一志望校の過去問やセンター試験は、最低10年分演習してください。(過去問演習講座を受講している生徒は、それを活用してくださいね)
「まだ覚えられていないから」「自信がないから」「もう少し苦手な単元を克服してから」といって先延ばしにしている受験生もいますよね?演習の代わりにひたすら用語集とにらめっこ。でもそれは、逆効果。徹底したアウトプットこそが学力を伸ばす最短コースだということを忘れないでください。
入試本番、隣に座った受験生が10年分の過去問を解いて準備していたとしたら?怖くないですか?
(余談ですが…)過去問10年分の演習は本当に有効だと実感しています。私も先日、ある検定試験を受験したのですが試験前3か月は自宅やカフェで過去問10年分(正確には14年分)解いて向かいました。残念ながら合格ラインまであと0.5点足りずに不合格だったのですが、言うまでもなく過去最高得点で、さらに試験中「これは見たことがある!」と解法の流れを簡単に見つけることができました。苦手分野の確認(大問別演習や単元ジャンル別演習)は演習後に行うほうが効率がいいです。
最後に…
はじめは「生徒指導に役立つかな」と思って買った本ですが、その中身は学生ではなくむしろ社会人に役立つものになっていて、早速私も実践しています。受験生以外の方にも是非読んでいただきたいと思う良書です。